『キサラギ』より
如月ミキ（演者：酒井香奈子）2006年2月4日に死亡した元アイドル。「如月」という姓は芸名。歌も演技も下手であったが、目力のある表情が持ち味であった。死亡当日22時55分に事務所のマネージャーに「やっぱり駄目みたい。私もう疲れた。色々ありがとう、じゃあね」というメッセージを残した後に自宅で焼死した。警察の発表では、仕事がうまく行かないことを理由に突発的に自殺を計ったとされ、部屋中に油を撒き火をつけたと推測されている。死因は一酸化中毒および全身火傷。死体は部屋の出口となる窓からも玄関からも離れた物置部屋から発見された。また事件当時、ミキ本人は悪質なストーカー被害を受けていた。毎夜何者かに家を監視されており、自殺した数日前には窓から何者かに侵入される事件まで起きている。
それから一年後、如月ミキのファンサイトを通じて知り合い、互いに面識のない五人の男たちが「如月ミキ1周忌追悼会」の為に集まった。焼身自殺した彼女を悼むのが会合の趣旨だったが、ファンの一人が彼女の死因は自殺ではなく「他殺だ」と言い出したことで状況は一変する。
如月ミキの死の真相に迫ろうとする男たちは、それぞれが個人的に知り得た断片的な情報を持ち寄り推理を繰り広げ、最終的にミキの死が自殺や他殺ではなく失火による事故死であったという結論に辿り着く。
五人が導きだした如月ミキの死亡原因とは「ゴキブリを退治するため台所用洗剤を撒いたが上手くいかず、疲れてそのまま就寝。ところが撒いたのは台所用洗剤ではなく食用油であった。そして、就寝中に発生した地震によってアロマキャンドルの火が油に引火して火事になってしまう。避難する際に、自分を耐えず励ましてくれた命より大切なファンレターが入った段ボール箱を取りに物置部屋へ行き、煙に巻かれその場で倒れ死亡した。」というものであった。
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