木下双葉（きのしたふたば 本名：光田貞子 1910年8月9日生）［女優］
東京生まれ。幼少時代は、小芝居の舞台で子役をしていた。1926年、名古屋のキリスト教主義学校である旧制・金城女学校を卒業し、東京に戻って、松竹蒲田撮影所に入社する。当時は本名を名乗っていた。1929年、京都に移り、東亜キネマ京都撮影所に移籍し、時代劇女優として注目された。1931年9月、東亜キネマが経営不振に陥り、福西譲治監督の『霧の中の白蓮』を最後に、同社の業務を代行する会社として設立された東活映画社（東活）に移籍する。入社第1作は、後藤岱山・橋本松男・堀江大生・重政順の共同監督による『薩南大評定 万能篇』であった。
翌1932年、河合映画製作社から移籍した阿部九洲男の売り出し作品、古海卓二監督の『評判影法師』に木下も出演する。この後、木下は阿部と結婚している。同年10月には東活は早くも解散、人員の受け皿として設立された宝塚キネマ興行に移籍した。さらに翌年の1933年7月、宝塚キネマで賃金未払いが起き、夫となった阿部九洲男ともども同社を去り、河合映画の後身・大都映画に移籍した。
大都映画では、幹部女優のひとりとして待遇され、琴糸路と佐久間妙子とともに吉村操監督の『三巴女白浪』（1937年）に出演し、一文字お仙役で評判となった。1938年、佐伯幸三監督の『喧嘩屋五郎兵衛』を撮影中、盲腸炎を患って倒れる。同年8月30日、腹膜炎を併発して死去した。阿部は人目も憚らず悲嘆にくれたという。彼女はわずか10年のキャリアで140作以上に出演した。
1938年8月30日死去(享年28)
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