1983年12月23日、東京都千代田区の富国生命ビル（20階建て）脇の植え込みで、上半身から太腿まで土の中に埋まり、白骨化した両足が出ている死体が発見された。 バッグの中から出てきた保険証から、10月26日に「自殺の恐れのある家出人」として捜索願いが出されていた20歳の女性と判明。9月末ごろ、ビルから飛び降りたが、軟らかい植え込みの土に頭から太腿にかけてめり込んだため、約3ヶ月間誰にも発見されなかった。 女性は秋田県の母子家庭に育ち、高校卒業後上京、会社員として働き、毎月手取り8万円の収入のうち4万円を母と弟がいる実家に送金。9月21日、自殺を考えての最初の失踪後にもどった彼女に社員寮の人たちがスパゲティや焼き肉をごちそうすると「こんなごちそう初めて」と喜んだという。上京以来、夜の外食はしたことはなく、寮でもめん類ばかりの食事で、誰にも打ち明けられなかった。 9月25日、気分を変えたらとカーテンを買いに初めて近所のスーパーへ連れていかれたが六千円という値で買うことができず、寮の仲間たちがカーテンを作ってあげたという。 しかしその翌日、二度目の失踪。部屋には「色々ご親切にして頂きました。でももうこれ以上生きて行く気力がありません。」との書き置きと額面十万円の定期預金通帳が残されていた。 病気などの不時に備え、絶対に取っておきなさいとアドバイスされた預金で、その直後実家からは新しく電気冷蔵庫を買う金が欲しいといわれた金でもあった。 ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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